統計グラフの見方(実収益・EV・SD収支・非SD収支)

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統計グラフの見方(実収益・EV・SD収支・非SD収支)

統計ページの収支グラフに表示される4本の線(実収益・EV・SD収支・非SD収支)の意味と、それぞれの差から読み取れるリーク・運の影響の見方を解説します。

統計ページの収支グラフには、日々のハンド結果を累積した4 本の折れ線が表示されます。どれも縦軸の単位はBB(ビッグブラインド)換算で、横軸は累積ハンド数です。4 本をうまく見比べることで、「運による上下」「ショーダウン前後のどちらで稼いでいるか」といった自分のプレイの癖を読み取ることができます。

1. 4本の線の意味

グラフに表示される線は以下の 4 種類です。サマリーカード(下部)の 「実収支」「WinRate」「収支(EV)」「WinRate(EV)」と、上の 2 線の最終値は一致します。

実収益(シアン)
実際に得た BB 単位の収支の累計。配られたカードの結果がそのまま反映されるため、短期的には分散(運)の影響が大きい線です。
EV(アンバー)
オールインが発生したハンドをエクイティで置き換えたAll-in EV 補正済みの累計。運の影響を平均化した「もし無限回プレイしたら」の収支で、実力の評価に向いています。
SD収支(青)
ショーダウンまで到達したハンドだけを集計した、実収益の部分集合。バリュー取りやハンドリーディングの巧拙が出やすい線です。
非SD収支(赤)
ショーダウン前に決着したハンド(相手を降ろして勝ち/自分が降りて負け)だけの集計。ブラフ・C ベット・フォールドの質が反映される線です。
SD = Showdown(ショーダウン)。本アプリでは「ハンド終了時点でフォールドしていないプレイヤーが 2 人以上残っている」ときに SD と判定しています。全員オールインでリバーまで自動進行した場合も SD 扱いです。

2. 足し算の関係

定義上、次の関係がつねに成立します。グラフのどの時点でも「SD収支 と 非SD収支 の合計 = 実収益」になります。

  • 実収益 = SD収支 + 非SD収支
  • EV は実収益の「運を平均化した版」なので、SD/非SD には分解されません。ショーダウンでの分散吸収も EV には含まれています。

3. 線の差から分かること

3-1. 実収益と EV の差(運の影響)

2 本の差は「短期の運」を表します。

  • 実収益 > EV(シアンがアンバーより上):オールイン勝負での運が良かった。長期的には EV に収束していくので、調子に乗りすぎないこと。
  • 実収益 < EV(シアンがアンバーより下):いわゆる「負け越しても打ち方は正しい」状態。メンタル維持のための根拠として活用できます。
  • 2 本が重なっている:オールイン試行回数が少ない、あるいは運による上下がほぼ打ち消しあっている。

3-2. 青と赤の大枠:バリュー軸とブラフ軸

まずはシンプルに、青=バリュー軸・赤=ブラフ軸として 4 象限で覚えるのが最短ルートです。

上昇(+)する主因下降(−)する主因
青(SD収支)バリューを取り切る相手のバリューに放銃する
赤(非SD収支)ブラフ(やベット)で相手を降ろす自分がブラフに屈して降りる

この 4 マスを頭に入れておくと、グラフの傾きを見たときに「どのスキルで稼いで/こぼしているか」が一瞬で当たりをつけられます。以下の 3-3 / 3-4 ではそれぞれの線をもう少し詳しく、3-5 で「この 4 マスに収まらない例外」をまとめます。

3-3. SD収支の傾き(青:バリュー軸)

青線(SD収支)が右肩上がり/下がりかどうかで、ショーダウンまで持っていったときのバリュー取り・バリュー放銃の質が見えます。

  • 右肩上がり:強い役でちゃんとバリューを取り切れている(適切なベットサイズ/3 バレル)。相手のコールレンジを読めている。
  • 右肩下がり:相手のバリューに払ってしまっている(=バリューに放銃)。二番手役でのコール過多、ブラフキャッチのしすぎ、強いラインでの降りられなさなどが典型的なリーク。

3-4. 非SD収支の傾き(赤:ブラフ軸)

赤線(非SD収支)はショーダウンせずに決まったポットだけを集計するので、「降ろす/降ろされる」の収支を表します。

  • 右肩上がり:C ベット・バレル・リバーブラフなどで相手を降ろせている。フォールドエクイティを取れている証拠。
  • 右肩下がり:相手のブラフに屈して降りている、あるいはブラフが通らず自分が折れている。ポストフロップで降りすぎ/BB ディフェンスが薄い/三者択一でいつもフォールドを選ぶ、などのリークが疑われます。

3-5. 細かい注意点(4 マスに収まらないケース)

3-2 の 4 マスは「主因」を単純化したものです。実際には次のようなケースも各線の上下に寄与します。厳密に分析するときだけ意識すれば OK です。

  • 赤↑は「ブラフ」限定ではない:ナッツで大きくベットしたら全員フォールド、というようなバリューベットで相手が降りたケースも赤↑に含まれます(=取り切れないバリューが赤に回る)。
  • 赤↓は「ブラフに屈する」だけではない:相手が明らかに強いときの正解フォールドも赤↓になりますし、BB でプリフロップから降りた分(構造的損失)もここに乗ります。赤線が少しマイナスに寄ること自体は珍しくありません。
  • 青↑↓にはブラフキャッチの成否も含まれる:ショーダウンまで行きさえすれば理由は問わないので、「相手のブラフをキャッチして勝った」は青↑、「ブラフキャッチで負けた」は青↓に計上されます。
  • 青↓はベット額不足でも起こる:勝った SD でもベットサイズが小さすぎれば、相対的にバリュー放銃ぶんを埋められず青線が伸び悩みます。

3-6. 青と赤のバランス

総実収益が同じでも、「SD で勝って非SD で負ける」タイプと「非SD で勝って SD では負ける」タイプではプレイスタイルが大きく異なります。

  • SD 強・非SD 弱:強い手でしか進まないタイト寄り。安定する反面、ブラフ不足で相手から読まれやすい。
  • 非SD 強・SD 弱:アグレッシブにポットを取るルース寄り。ショーダウンで勝てないなら、バリューラインを鍛える・コール過多を見直す余地あり。
  • 両方プラス:理想形。バリューとブラフのバランスが取れている可能性が高い。

4. 見るときに注意したいポイント

  • サンプルサイズ:どの線も数千ハンド未満では分散の影響が大きく、傾きでスタイルを判断するのは危険です。本アプリの累積ハンド数が 5,000〜10,000を超えたあたりから傾向として読みやすくなります。
  • EV を主に見る:運を排した EV(アンバー)が自分の実力の目安です。赤/青は「実収益のどちらで稼いでいるか」の内訳として見るのが基本です。
  • WTB(Win The Button)は集計対象外:統計・レーティング非反映のモードのため、収支にも含まれません。
  • 更新頻度:グラフのデータは約 5 分ごとにバッチで更新されます。プレイ直後すぐには反映されないことがあります。
  • 過去分の SD/非SD は 0 から開始:SD収支・非SD収支の集計は新機能のため、機能リリース以前のハンドは 0 として扱われます。リリース以降のハンドから徐々に線が伸びていきます。

5. 併せて確認したいスタッツ

グラフで傾向がつかめたら、下のスタッツ表で数値的な裏付けを取ると分析が深まります。

  • WTSD(Went To Showdown):ショーダウンまで行った割合。青線の寄与の大きさと関連します。
  • W$SD(Won $ at Showdown):ショーダウンで勝った割合。青線の傾きの裏付け指標です。
  • Aggression(AF/AFq):攻撃頻度。赤線が上向かない場合、AFq が低すぎないかを確認します。
  • bb/100:ハンド単価の収支。実収益・EV の傾きを標準化した指標です。

総括

統計グラフの 4 本線は、「実収益 vs EV」で運を切り分け「SD収支 vs 非SD収支」で稼ぎ方の内訳を可視化するためのツールです。短期的な上下に一喜一憂せず、EV を軸にしつつ、青と赤のバランスから自分のスタイルの偏りやリークのヒントを拾っていくのがおすすめです。